カタストロフィー破滅を防ぐためにー上映会を開催

1月9日の生活者ネット9条の会で上映会アピール

1月23日に練馬・生活者ネットワーク環境部会主催でドキュメンタリー「カタストロフィ」の上映会を開催しました。
原発で使用した核燃料の再処理工場の建設が青森県六ケ所ですすめられています。
このドキュメンタリー映画は
第一章 地震・津波・火山と原発 学者の警告
第二章 福島原発の事故の教訓
第三章 核燃サイクル政策の破綻
第四章 再処理工場の大事故
で構成されています。

工場の沖合には超巨大な大陸棚外縁断層があり、六ケ所断層は直下を走っていることから地震や大津波の起こりうること、またカルデラ火山である十和田湖の噴火の可能性についても専門家が指摘しています。
東日本大震災の津波による東京電力福島第一原発事故で多くの県民が犠牲になったことは、東電が地震への対策を怠ってきたため、として起こした東電刑事裁判は今も続いています。
原告団の武藤類子さんは「同じことはまた起こると思う。」と訴えています。
着工から30年近く約3兆円かけても推し進めようとする国の再処理とプルサーマルの政策は廃止すべきです。
敦賀市の高速増殖炉もんじゅも失敗、廃炉となりました。
また使用済み核燃料のガラス固化はうまくいかず、最終処分場も決まっていません。

第四章は世界の再処理工場の事故、小出裕章さんによる三沢米軍基地から飛び立った戦闘機が六ケ所再処理工場に墜落した場合の事故シミュレーション、最後はCGによる十和田湖の中規模噴火と下北半島の大地震が起きた場合の大事故シミュレーションです。
実際に起こりうることであり、日本の破滅を防ぐためにも原発も核燃料の再利用もストップさせなければなりません。

上映後は参加者のフリートークでした。
まず、この上映会を提案した環境部会の部員からは、パンフレットに書かれている推薦文の読み上げと、下請けで危険にさらされている作業員の現状をを報告があり、このようなことも知って欲しいとの投げかけがありました。
≪参加者からの感想≫
・原発事故も地球温暖化もすべてひっくるめて地球全体の問題として考えないといけない。人間の経済活動が起こした人災であり、世界全体の経済成長を緩めていかなといけない。最近火山の爆発や地震が起きた。人々が関心を持ち、若い人たちを動かすべき
・3.11に子どもだった人で甲状腺がんや肺がんになっている人たちが東京地裁に来る。裁判に踏み切った動機は「健康診断が無駄だ」と言っている国会議員がいるため。
自分は福島の人間。毎日原発の方を見上げながら、きのこ雲が上がったらどうしようと思っていた。現在は避難者の支援などしている。
・去年はオリンピックはいらないと思っていた人が多かったと思うが、テレビはスポーツ中継ばかりで生産者責任や原発には触れていないので情報操作されていると感じる。
・今問題になっているのはコロナだが、貧困と格差が進んでいるのはスペイン風邪が流行った時と同じ。文明の進化とともに病気が増えた。のびのび生きていけるような社会にならないと病気も減らせない。
・「成長」より「成熟」した社会になろうという声は聞こえていたが、なかなかそうならない。
・M8以上の地震時の津波予測を見て、青森の実家は山のほうだから大丈夫と考えていたが、活断層があるという話は考えていなかった。日本海溝と対馬海溝のことを急に言い出したことを疑問に思っていたので、十和田湖が1000年ごとの爆発ならそろそろだと思った。
・六ケ所は過去に分断で問題になったが、お金が地元に来ることを考えると建てたいと思う人が多いのが現状。生活するための代替手段を考えないと手放せないのでは?構造的にそうなっているので現実的に向かい合うのは難しい問題。
・富をみんなに平等に分配したら困らないはずなのにうまくいかない。今日は名護の市長選。沖縄の食料の自給率は14%。基地からもらっているお金も多い。原発と構造は同じ。
皆が関心をもって政治を変えること。
・コロナ以降、元には戻らない社会で、集会もデジタル併用になっていくと思う。若い人にアピールになればいい。

最後に山口県上関原発について、首都圏で建設反対を訴え活動している「上関どうするネット」に関わっているやない克子からの報告。
計画地対岸の祝島では30年以上毎週月曜日にデモをしてきた。
若い人たちが原発に頼らない産業をしようとしている活動に注目している。また移住も増えているが、離島の人は何かあれば逃げ場がない。
年一回イベントをやっていて、計画自体がなくなるように頑張っていきたい。

そして生活者ネット9条の会が毎月9日に練馬駅でおこなっている「戦争はしない 原発はいらない」をアピールする9条スタンディング&原発反対デモへの参加を呼びかけました。

私からは前日がちょうど核兵器禁止条約の発効から1年ということで、国は「核の平和的利用」と言っているが、平和的利用はあり得ない、あらためてみんなで考えていかないといけないこと、昨年国が策定した第6次エネルギー基本計画には原子力政策の再構築として、再処理やプルサーマル等を推進することが10ページにわたり示されている。原子力規制委員会の委員もほとんどが原発推進派。政治を変えていかなければいけないし、それができるのは私たち市民、ということを話しました。

「地震の国に原発いらない。火山の国に原発いらない。」
事故が起きてからでは遅いのです。
破滅を防ぐために、子どもたちに核・原発のない未来を残すために一緒に声をあげませんか?

2022年1月9日のスタンディングは飛び入り参加もありました。