原発ありきの国のエネルギー政策にお任せはNO‼~予算に反対の討論~
3月12日、第一回区議会定例会の最終日に2021年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の予算に反対の討論をおこないました。
2021年度予算は、新型コロナ感染症の影響で、法人税収の大幅な減少が見込まれることから、基金や起債を活用することで一般会計は昨年度比0.03%減の約2,826億円です。
区長は厳しい財政危機を強調し「コロナ禍を区民とともに乗り越え、区民とともに前に進むため、最大限努力し、区民サービスの水準を確保する予算」と言っています。しかし編成過程が示されず、区民への十分な説明や意見を反映させようという姿勢が見られません。
まちづくりは地域住民にとって暮らしに関わる大きな問題です。
「区の道路整備が遅れている」からと都市計画道路や生活幹線道路の整備を着実に進めるとしています。いくら地域住民が見直しを求めても「防災のため」「環境に影響はない」「安全上問題ない」と結局「ご理解いただく」と強引に推し進めます。
「かつて経験したことのない財政危機」というのであれば、まず多額の税金を投入する現道のない道路計画などは見直すべきです。
外環道の大深度トンネル工事の真上にあたる調布市で起きた陥没事故は、調査の甘さから「安全性の確認」という大前提がいかに信頼できないものかを露呈しました。事業者は工事期間の延長申請をしていますが、安全神話が崩れた外環工事は中止し、大深度地下法は廃止すべきです。 石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業は住民合意が図られていません。「厳しい財政状況から公共施設管理計画などは見直す」と言いながら、110億円を投入する計画ありきの整備をすすめることは容認できません。
東日本大震災から10年が経ち、東京電力福島第一原発事故の重大さをあらためて受け止めています。
菅首相は昨日の追悼式で「原発事故によって大きな被害を受けた福島の被災地域では、復興・再生に向けた動きも着実に進んでいます。」と述べましたが、被災地では「復興とは生活がゼロに戻って初めて始まる事であり、未だにゼロにすら戻っていない」と訴えています。人々の分断や住宅手当の打ち切り、原発廃炉の下請け作業員の被ばくを気にしながらの過酷な労働や不当な賃金などから国は目を背けています。
区は「原子力発電については、国のエネルギー政策で取り扱われるものである」と無責任な発言を繰り返しています。しかし接待や贈答品など次々に金銭や利権が絡む問題が明るみになっても、きちんとした説明責任を果たそうとしない国にエネルギー政策を任せることはできません。
区長はワクチン接種の練馬モデルを先進事例として報道で取り上げられたことなどをアピールしています。他の自治体に先駆けていち早く行動する区長であるなら、エネルギー施策についても率先して「脱原発」を掲げ、地域による再生可能エネルギーへの取り組みが安全な暮らしと地域の活性化につながることを示すべきです。
被災地の復興を理念とした「復興五輪」は実情とはかけ離れ、被災地・被災者が置き去りにされています。誰のため何のためのオリンピックなのでしょうか。
多額の予算を投入できる国でしか開催できないオリンピック・パラリンピックは国家を背負ったメダル獲得競争であり、誰もが楽しめるスポーツの祭典ではありません。
区は「オリ・パラ観戦は国際理解教育の推進上貴重な経験」と言い、児童生徒の観戦を予定通り行うとしていますが、オリ・パラ教育は観戦を含め中止すべきです。
新型コロナ感染症は子どもたちにも大きな影響を及ぼしました。
去年に続き今年も多くの行事が中止や縮小となり、子どもたちが我慢を強いられています。
子どもたちと一緒にできることを考え、子どもの意見を聞いて実現することが大切です。
区は「子どもの権利は各施策の中で実現しているから条例を作る必要はない。」と言いますが、子どもを取り巻くあらゆる場面において、子どもの「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」を保障する普遍的な視点で施策に取り組むために、子どもの権利条例をつくるべきです。
介護保険制度は「持続可能な制度」を理由に給付の抑制が続いています。介護保険料と同額の税金でまかなわれる介護保険制度はすでに破綻していると言わざるを得ません。
また、介護保険料の上昇分が国民健康保険料にも大きく影響し生活を圧迫します。
国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の制度そのものを社会保障として抜本的に見直すことを国に求めるべきです。