危険なブロック塀の点検と助成について報告
総合・災害対策等特別委員会で危険なブロック塀の撤去費助成制度の実績について報告がありました。
2018年の大阪府北部地震では、登校中の小学4年生の児童が倒れた小学校のブロック塀の下敷きになり、亡くなるという痛ましい事故がありました。
この塀は高さ制限を超えた上に控え壁の設置もなかった、など建築基準法に違反していることに加え、法廷点検もおこなわれていなかったことが明らかになりました。
これを受け、全国でブロック塀の点検がおこなわれ、練馬区でも道路に面したブロック塀の調査を実施、2019年10月からは塀の撤去費用の助成を始めています。今回はこれまでの実績についての報告がありました。
年度 | 助成の実績 (2021年1月15日時点) | ||
Aランク
(危険性が高いブロック塀) 約1,600件 |
Bランク
(安全性に疑いがある塀) 約16,400件 |
合計
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2019年
10月18日~ |
11件 | 13件 | 24件 |
2020年度 | 47件 | 42件 | 89件 |
合計 | 58件 | 55件 | 113件 |
撤去件数としては練馬区は23区中上位とのことですが、他区と比べて、というよりとにかく安全性の確保のために少しでも多くの方に協力してもらうことが必要です。
助成制度の詳細は下記より。
危険なブロック塀の撤去にご協力ください:練馬区公式ホームページ (city.nerima.tokyo.jp)
今年度の取り組みとして新たなチラシを作成して配布。これには生け垣化についても書いてあります。
また、Aランクの所有者は個別訪問をしていますが、そのうちの300件については2回訪問をしています。その結果昨年度1件、今年度7件の助成申請をしたとのことです。
特に密集住宅市街地整備促進事業の実施地区(貫井、富士見台、桜台)、防災まちづくり推進地区(田柄、富士見台駅南側、下石神井)には重点的な撤去のはたらきかけをしています。
撤去できない理由としては
・放置している危険の意識の不足
・家の改築に合わせて撤去する
・費用がかかる(特に大きい塀はコスト大)
など個々のお宅の事情もあるかと思います。
また、Bランクについては個別対応はしていないので、知らない方もいるためホームページでの呼びかけや、区への問い合わせの広報をしているとのことです。
ブロック塀はコンクリートブロック塀や万年塀、大谷石の塀などがありますが、例えば大谷石の塀など土台のある塀については、土台を残して上部をフェンスにする場合の助成についても今後検討するとのことです。
建築基準法不適合の塀に関しては施工業者ではなく、設置者の責任となりますが、撤去の強制力はないので同様に助成の対象となります。ただ、今回の点検は道路側からの目視のみで、特に気になる所は外から塀の裏側を除いてみる程度の確認です。鉄筋の状態は超音波などの機器が必要なので、そこまでは今のところしていません。まず目視でも危ないところからチェックしたとのことです。
区では「危険なブロック塀の倒壊で他人に危害を加えて命を奪うこともある」という意識をもってもらうことを避難訓練や回覧板、チラシ配布、ホームページ、メールなどで呼びかけています。
所有者にはそれぞれの理由があり、コストや建て替えに合わせて、という事情もよくわかりますが、いつ起きてもおかしくないと言われている大地震に備えて、助成について個別丁寧に説明して1件でも多くの方が利用できるよう更なる調査とはたらきかけを求めます。