昨年9月に東京都が、「新河岸川及び白子川河川整備計画」の東京都管理区間の変更原案を出しました。
白子川は、大泉井頭公園の湧水を源流としていて、石神井川とともに、区内を流れる有名な、代表的な川として親しまれています。
今回の変更原案では、1時間あたり75ミリの豪雨に対応できる約25万㎥の大型調節池を源流部につくるという計画になっています。
変更原案に対する意見募集では、地域の方から75ミリ対応に疑問がある、あるいは、湧水が枯れるのでは、自然環境の破壊による希少な生物が失われるのでは、などの意見も多く見られました。
これは東京都の事業ではありますが、東京都も地域住民や関係機関との協働により、と言っています。
大泉井頭公園は、1972年に、東京都から引き続き公園用地とすることを前提に区が譲り受けています。
その後、1995年ぐらいに地域の方たちがワークショップに参加したりして、どのような公園にしようか、地域の皆さんたちで話し合って、今の公園ができたと聞いています。だからこそ、今でも川を大切に思って、お掃除をしたり、地域のみどりを守ったり、そういった活動が続いています。
私たちも、毎年この源流の水質検査を行っています。
そういった中で、この間、よく通る橋戸の調節池を見ると、コンクリートの大きな塊としか思えなくて、景観としてはいかがなものか疑問を抱きます。まさに、グレーインフラを進めているとしか思えません。
都市計画マスタープランの将来都市構造図においても、みどりの拠点として、景観重要公共施設ということで、この大泉井頭公園が指定されています。また、区が指定した2本のマルバヤナギは、川岸など水の豊かな土地でしか生息できません。
東京都は、地元自治体の公園等の計画と連携し、一定規模の拠点的な整備を検討していくとの方針です。
一方で練馬区は、「都市計画公園・緑地の整備方針」において、大泉井頭公園を優先整備区域として2020年までに着手するという計画があります。
白子川の改修事業にあたっては、「みどりの軸として良好な水辺環境や散道としての空間が整備できるよう、住民等の意見も踏まえ、東京都と連携を図ります。」としています。
都の河川整備計画と区の公園整備計画を今後一体的なものとして進めていくのか、予算委員会で区の考えを聞きました。
区としては現在、東京都が示している白子川整備計画案の中でも、治水上の安全を確保するとともに、地域住民や関係機関との協働により、自然環境など、地域環境の向上に努めた川づくりに務めていくことが基本理念として示されていること、また、東京都に対して、今回取りまとめられる整備計画を着実に求めると同時に、白子川源流部の自然環境への配慮を行うよう、既に申し入れているところとのことです。
また、白子川整備計画と優先整備区域に位置づけられている大泉井頭公園との関係は、どちらも具体的な整備時期は現在未定の状況で、調節池については、今回、予定容量や区間が示されたものの、具体的な位置や構造については示されていません。
区としては、水害被害の抜本的な解決のために、整備計画を確実に推進するよう求めていくと同時に、白子川源流部の水環境等への配慮を行うよう求めていきます。
地域では「白子川源流・水辺の会」の方たちが2001年から白子川の水環境や生き物たちの調査を続け、自然を守る活動をしています。
この方たちが今回の大規模な調節池の計画に、環境破壊になるのでは、と不安を抱き、東京都に見直しを求めています。
また、源流に西東京市の下水が流れ込むため、源流の水質への影響や調節池の計画も西東京市との協議が必要だと東京都に求めていますが、都は一体的に考えることとして協議は考えていません。
そこで5月7日、西東京・生活者ネットワークの市議会議員、後藤優子さんから西東京市の下水や豪雨対策について聞き取りをしました。
下水道については、23区は合流式のため集中豪雨で汚水が一緒に川に流れ込んでしまいますが、西東京市は完全に分流式になっているので汚水が白子川源流に流れ込むことはないことがわかりました。
その他の調査もお願いしました。
今後も西東京市と連携して白子川の水辺環境を守っていきたいと思います。
そして会の方たちをはじめ、地域の方たちの声をしっかり受け止め、計画の見直しを含めた意見を反映させるよう区に求めていきます。
「白子川源流・水辺の会」のメンバーの皆さんと。木のプレートを持っているのは西東京・生活者ネットワークの後藤優子市議。