けれどもどの子どもたちも1対1で向き合うととても素直で、大勢の中の一人としてではなく、学校でも家族の中でも自分の存在を100パーセント認めて欲しい、ただそれだけなのです。時には廊下にしゃがみこんで、またあるときは階段に腰掛けながら一緒に話しをしたこともありました。私の職場は職員室が解放的で休み時間にはいつも誰かしら話しにやってきて、周りの席の先生も一緒に話しに加わったりしながらチャイムが鳴ると子どもたちは満足してまた教室に戻っていきます。そして何と言っても先生同志がとても仲良く、困ったときは一緒に考え助け合えたことが何より支えになりました。
ゆとり教育といいながら学力向上、進学率アップで教師の実力が評価され、一番ゆとりのなくなったのは教師ではないでしょうか。本来、教えることの楽しさを味わい、生徒一人ひとりと向き合う時間の大切さを知ることが教師の魅力だと思いますが、めまぐるしく変わる教育体制の中で日課をこなすことで精一杯、時間のゆとりも心のゆとりも持てないのが現況です。
また今国会では十分に議論されないまま改正教育基本法が成立し、新たな課題にますます戸惑う教師も多いと思います。学校は子どもが毎日楽しく色々なことを学べる場であることはもちろんですが、そのためには教師自らも学校に行くことが楽しいと思い、子どもたちにとって何が一番大切なのか十分に意見を出し合えるようなゆとりのある環境をつくることの方が先のような気がします。皆さんどうお考えでしょうか…。