下がる投票率について~参院選の結果から考える~
7月21日(日)、参議院議員選挙がおこなわれました。
投票率は全国で48.80%、前回(3年前)の参院選の54.70%より5.9ポイント下がりました。
練馬区は前回の58.28%より6.63ポイント下がり、51.65%でした。
練馬区の選挙管理委員会が作成した資料の一部を抜粋しました。
練馬区は全国平均よりは高かったものの、表から今回、前回ともに10代、20代、30代の投票率が低いことがわかります。
2016年に選挙権が18歳に引き下げられ、その年7月の参院選が初めての選挙ということもあり、18歳の投票率は高かったのですが、19歳、20代になるとグンと下がってしまいます。
今回も同じ傾向がみられますが、18歳も前回より低い状況です。
区としては主権者教育の支援として小中学校での選挙体験教室を開き、ワークショップや本物の機械を使った模擬投票をおこなっているのですが、2017年度は小学校65校中10校、中学校35校中5校、各校1回おこなわれただけです。
何もしないよりは投票の仕方やなぜ選挙がおこなわれるのか、など学習することも必要だとは思います。しかし学校の授業だけでなく、家庭やその他色々な場面で子どもたちが疑問を持ち、日常的に対話を通して考える力をつけていくような体験をしないとなかなか社会に関心をもてないのではないでしょうか。
SNSで情報は過多になっても自分に差し迫ったことではなければ関心が無い若者。むしろ「面倒くさいことは排除して便利で楽しい生活になるための情報」「現実から離れられるゲーム」ばかりに目を向けている。
このような若者を取り巻く環境を思い切って改善していかなければならない時がきていると思います。
一方で、困難を抱えた若者が増え続ける現状があり、「どうしたら安心して暮らせるのか」当事者の声を受け止められる居場所や活躍の場が求められています。
もちろん40代以上の大人も決して投票率が高いとは言えず、良い手本にはなっていません。
家庭で政治の話をしない、妻が夫に相談して投票する人を決める、などいまだに古い体質が残っています。
その意識改革も同時におこなっていかないと社会全体が変わらないですよね。
「投票率を上げるための有権者教育」ではなく「日常の生活の中で社会に触れ、体験するシチズンシップ教育」の結果、投票率が上がることが最も望ましいと考えます。