区立小竹図書館の指定管理者を指定する議案に反対

14日、第四回区議会定例会の最終日に、「指定管理者の指定(練馬区立小竹図書館)」に反対の討論をしました。

以下、討論の内容です。


この議案は2019年度4月から5年間、小竹図書館の指定管理者として引き続き「ハートフルサポート共同事業体」を指定するものです。

ハートフルサポート共同事業体の構成団体はテルウェル東日本株式会社と株式会社五十嵐商会です。

小竹図書館は元々、非常勤の図書館専門員が主体で管理運営する図書館専門員主体館でしたが、2014年、行革プラン最後の年に指定管理者制度の導入が決定しました。
この時12館のうちすでに6館が指定管理で、小竹図書館が指定管理になることで直営5館、指定管理7館となり、直営の方が減っていくことで、このまま指定管理者制度をすすめていいのかどうか、ここで検証するべき、との議論にもなりました。

また、小竹図書館の17名の図書館専門員が練馬図書館に移ることについても、スキルを活かせる場が減らされていくことが問題となりました。
そして1回目の指定管理者の選定の議案にも反対しました。

選定の審査結果では五十嵐商会が区内事業者ということでの3点の加算を除くと施設管理運営体制が他の応募4社より低い評価でした。
これに対し区は「評価は低いが区の基準を満たしている」「今後、しっかりとしたモニタリングや、現場の確認をする」と理解しがたい不透明な説明でした。また、司書の有資格者率について、区が求めている50%以上に対し、「80%以上を設定する」という高い目標設定も評価したと言っています。

ところが今回の2回目の選定にあたり、5年間の実績の検証において、区が評価した80%の目標設定に対し、結果が60.6%であったことについて明確に説明できていません。
常勤、非常勤の雇用状況についても「区は関与していない」と言い、5年前に「しっかりとしたモニタリングや現場の確認等をする」と言ったことが実行されず、あまりにも無責任でこれでは本当に丸投げ状態です。雇用形態も把握せずにどうやって管理運営の状況を評価するのでしょうか。

図書館は思想・信条にかかわるセンシティブ情報を取り扱うところです。公的責任に対する認識をしっかりもつべきです。

今定例会の一般質問の答弁では、特別区だけを取り上げて、「15区が指定管理者制度を導入している」と、いかにもすすんでいるような答弁でしたが、8区は導入していません。中には世田谷区のように15館中1館だけのところもあります。

また、他県において一度は指定管理者制度を導入したものの、「指定管理者制度になじまない」「教育施設は長期継続性の面から直営が望ましい」との理由から直営に戻したところもあります。逆にコスト削減のために直営に戻した自治体もあります。

指定管理者制度の導入館が増えたことを「社会情勢の格段の変化」と受け止めていますが、練馬も導入をすすめる、という根拠にはなりません。

図書館は区民とともに築いてきた、地域の大切な存在です。
責任ある立場として十分な検証と区民への説明責任を果たさず、経費削減を目的とした小竹図書館の指定管理者を指定する議案に反対します。