企画総務委員会視察~鹿児島市空き家等の条例について~

車両ごとに凝ったラッピングです。

10月22日から24日まで企画総務委員会で鹿児島県と熊本県に視察に行きました。

1日目は鹿児島市役所で老朽空き家等対策について説明を受け、その後市議会の議場を見学しました。
鹿児島市は人口約60万人、面積約547k㎡で、練馬区は人口約71万人、面積約48k㎡ですからとても大きな町です。
市内の交通網は市電が主で、市電の路面の芝生化についても以前にお話を伺ったことがあります。
そして今年に入ってから桜島が370回も爆発しているそうです。

その鹿児島市でも、練馬区と同様に空き家が問題となっていて、2008年から「鹿児島市老朽建物・空き家等事務処理要綱による指導」を作成して相談を受け、指導をおこなっています。相談は主に周囲からが多く、件数も増加していて今年に入ってからは既に140件の立ち入り調査がおこなわれています。
昨年度からは実態調査がおこなわれ、その方法は、市内全域から約7200件を2人一組で抽出調査、チェックシートを用いて「住んでいるか」「きちんと整理されているか」「危険箇所はないか」などを調査し、市内全域で約3200件あると推計されています。
また、所有者不明は1~2割いますが、課税情報は使えないことや、近隣の相談者は名乗らないことで、それ以上情報を得られないそうです。

このような経緯から「鹿児島市空き家等の適正管理に関する条例」が制定され、今年の4月から施行されています。
空き家、住み家、空き地を対象とし、
●所有者の責務
●立ち入り調査
●助言、指導、勧告、命令、公表
●行政代執行
●警察との連携
●支援(所有者等へバリケード等の器具の貸出や業者の情報提供等)
●応急危険回避措置(市による飛散防止ネットや防護フェンスの設置等)
●委任
と流れがしっかりできています。
危険な空き家の解体費用についても1/3(上限30万円)の補助金があります。
カラーのパンフレットも作成してありました。
私は9月の一般質問で空き家の福祉的な視点での活用について質問しました。
危機管理の対策というより、空き家を地域の拠点やグループホームなどに活用する、そのための貸す側と借りる側のマッチングが必要との質問に
「空き家等所有者とその利用を希望する側を結びつけるための仕組みづくりを検討していく」との回答を得ました。

鹿児島市では今のところ利活用の事例がなく、空き家バンクより管理不全に力を入れているとのことでした。
利活用するにも実態把握と危険性の回避は必要です。
条例があることで空き家活用に前進できることが確認できました。