原発依存は変わらず~第5次エネルギー基本計画~

国の第5次エネルギー基本計画案が発表されました。

国のエネルギー政策は、『安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図るため、最大限の取組を行うことである。この3E+Sの原則の下、エネルギー政策とそれに基づく対応を着実に進め、2030年のエネルギーミックスの確実な実現を目指す。』
としているものの、2030年エネルギーミックス(原発20~22%、再生可能エネルギー22~24%、石炭26%、天然ガス27%)はこれまでの計画から変わっていません。
しかも原発と再生可能エネルギーを合わせて「非化石エネルギー46%」とまで言っています。

そして相変わらず原発や石炭火力をベースロード電源とし、原発については、優れた安定供給性と効率性、運転コストが低い、温室効果ガスの排出もないなどを理由に安全性の確保を大前提に、「長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である。」としています。
原子力の平和・安全利用についても関係する国々が協力をしなければ、本来の目的を達成できないとして、国際協力まで呼びかけていることに、これが7年前に福島第一原発の事故を起こした当事国が言うことなのかと驚きます。
世界中で再生可能エネルギーへの転換をめざしている中で日本だけが逆行してしているのです。

これまでもエネルギー基本計画改定案に寄せられた国民の意見が反映されず無視されてきましたが、私たちの生活に大きな影響を及ぼすエネルギーの問題をどうするかは「国にお任せ」ではなく私たち国民がどうしたいかを決めることです。
電力自由化で電力会社を選べることになりましたが、それは自分が使う電気が何を原料として作られているのかを選ぶことでもあります。

エネルギー基本計画案に対する意見募集をおこなっています。
6月17日(日)必着ですのでぜひ皆さん意見を送って下さい。

基本計画案および意見の送り先

そして何より大事なことは省エネです。
「今年は電力が足りているので節電しなくてよさそうです。」とニュースなどで報道される時がありますが、「足りないから節電」ではなくて日常的に電気の無駄づかいをチェックして、できるところから実践することが大切です。
ただし、無理して体を壊すまで冷房などを我慢する、ということがないよう気をつけてください。