すべての子どもたちが社会全体から愛される社会へ~子育て支援フォーラムに参加~

生活者ネットの仲間たちと。中央が森山さん。

4日、生活クラブ運動グループ・インクルーシブ事業連合 子育て支援委員会主催の「すべての子どもたちが社会全体から愛され育つ社会へ~支援現場から見える子どもの貧困・孤立~」に参加しました。

基調講演は認定NPO法人3keys代表理事の森山誉恵さんから、虐待や貧困などで頼れる大人が少ない子どもたちへの支援事業についての報告でした。
私が森山さんにお会いしたのは2度目ですが、当時はまだ大学生でした。ボランティアで始めていた学習支援の活動が関わる人も対象の子どもたちもどんどん広がり、「草の根基金・ぐらん」の助成を受けています。今でもまだ30歳という若さです。

虐待を受けた子どもたちが児童養護施設に入ればとりあえず衣・食・住は用意されている。次のステップに向けてどうするかが問題。
養護施設は1人の親で4人の子どもを育てているのと同じ環境で、日常勤務に追われてなかなか一人ひとりへの学習支援まで手が回らず、とにかく宿題だけはやらせるのが現状とのことです。
その学習支援をマンツーマンで行っているのが3keysです。
「どうせ勉強ができない、進学もできない」とあきらめている子どもがどこでつまずいているか、自分を客観的に見られるようになることで意欲を見せてくるようになり、その結果施設全体の学習意欲の向上につながるそうです。
また、子どもたちの相談窓口 オンライン相談プラットフォーム「Mex(ミークス)」も開設しています。
子どもたちは虐待や貧困そのものへの悩みより、そのことをきっかけに犯罪に巻き込まれたり、妊娠してしまったり、という相談の数が多いそうです。

虐待の通報で対応するのは年間12万件、そのうち施設に入るのは1万件(2016年)と約1割で、残りは家に帰されてしまう。また、保護が増えても里親は横ばいなため、入ってもすぐに出されてしまう現状で、地域で子どもたちを支える「子ども食堂」や「無料塾」は大きな力だとのことです。

基調講演の後、多摩市で児童発達支援・放課後等デイサービス事業をおこなっているnpoNPO法人アピュイ、「小平子ども食堂まるちゃんカフェ」、ひとり親家庭ホームヘルプサービス「NPO法人ワーカーズ風ぐるま」の3団体から活動報告がありました。

「貧困だから、ひとり親だから、障がいがあるから」ということで「閉塞感、孤立感、こころの貧困」を抱いている子どもや保護者を地域で顔の見えるつながりをもつことが大切だと思いました。