身近な川を知る「水辺の調査」

私たちが夏におこなっている活動に「水辺の調査」があります。

石神井川と白子川の水質検査をして汚染度を調べ、きれいな川を残していくために私たちができることを考えよう、時には政策提案につなげようということが目的です。

 22日には井頭公園の白子川源流と高稲荷公園近くの石神井川でおこなわれ、白子川の調査に参加しました。

白子川は大泉井頭公園の湧水が源流で、和光市、板橋区を流れて約11時間かけて新河岸川に合流します。
私が生まれ育った桜台は石神井川が近かったので大泉に住むまでは白子川が石神井川と共に練馬を代表する川という意識がありませんでした。
昔は石神井川もよく氾濫していた記憶がありますが、整備されてそのようなこともなくなりました。
そして今では白子川もほぼ毎日見る馴染みの景観となっています。

白子川には八の釜、稲荷山、清水山と貴重な湧水がありますが、残念なことに八の釜憩いの森は外環自動車道の延伸工事により樹木はすべて伐採され、鳥も水辺の生き物もいなくなってしまいました。湧水の釜はかろうじて残っていますが枯れてしまうのでは、と危惧しています。 

水質調査は源流のところと少し下った下水が流れ込む所の2か所で測定しました。
測定内容は大きく分けて化学的酸素要求量、窒素類、りんを5種類の調査薬で調べます。

結果は源流は「上流の川、きれい」でしたが、2か所目は硝酸態窒素の数値が非常に高く、通常は1~2mg/Lですが、10mg/Lもありました。また、リン酸態リンも少し高く、これは食べ物のカスや畑の肥料、落ち葉など排出された汚れが混ざっていることが原因です。

 東京都23区はいち早く上下水道の整備が進みましたが、当時設置した排水管は合流式で、雨水と家庭の汚水がつながっているため、雨が降ると下水と一緒に川に流れ込んでしまします。
特に最近では宅地化が進み、降った雨がそのまま大量に側溝から下水道に入り、中の汚泥も一緒に川に流れ込みます。

排水管の太さは少し太くなったところもありますが、23区すべてを汚水管と雨水管に分ける分流式に変えるには大規模な工事と費用がかかり、現在も昔のままになっています。

 

 川は私たちの生活に欠かせない存在であり、ずっと共存していくものですが、昨今のアスファルト化やゲリラ豪雨により急激に下水に流れ込むことで川の水位も急上昇します。

今回の調査には小学生のお子さんも大勢参加してクイズにも答えてくれました。
身近にある川のことを知り、親しみをもって付き合っていく良いきっかけになったと思います。