成年後見制度―社会で支えられて生きる―

2014年1月31日 15時36分 | カテゴリー: 活動報告

練馬手をつなぐ親の会「福祉講座」で成年後見制度について講演を聞きました。
講師は全日本手をつなぐ育成会中央相談室長で社会福祉士の細川瑞子さんです。

 少子高齢化の現状で家庭機能の弱体化が進み、障がい者への虐待は半年で1500件。その8割が親などの家族による虐待と報告されています。
そして受ける側では40代が23%、50代が19%と、高齢の親がみている「老障介護」が多くなっています。

知的障がい児者は全国で55万人、そのうち在宅者が43万人(18歳以上が29万人)という状況の中で、最近では障がい児者のいる家族の「孤立死」も多発しています。
また、能力主義・格差社会が広がり、弱者が切り捨てられる背景でどうやって知的障がいの子を守るかが大きな問題となっています。

 それでも「自分の目の黒いうちは何とか自分で面倒を見る」と思う親が圧倒的に多く、その後のことを不安に思いながら家族で介護を抱えてしまい、親や配偶者の介護は社会化しても、老障介護についてはまだ社会に託せない、というのが現状です。
しかしそれが子どもにとって本当に幸せなのか、自立すなわち「子どもの社会化」をめざし、そのための成年後見制度の役割や何を託すのかを考えるべき、とのことです。 

子どもが20歳を過ぎると金銭管理を親ができなくなるため、消費者被害や知らないうちに保証人にされていた、契約関係、など様々な問題に直面するそうです。法的な対応には成年後見人が必要になります。

それでも親の目が届いているうちはいいけれども何十年も成年後見人に託することに不安を持ち、家族が後見人になることが多いそうです。

家族との生活が長くなれば自立の機会が遅くなってしまうため、本人の「最善の利益」を考えて後見プランを立てるシステムの取り組みが始まっています。
その中ではできるだけ早く成年後見人をつけて自立できるよう、後見人、家族、地域のネットワークによる支援を構築していくことが必要だと細川さんは話します。

これまで地域の中で孤立して、自分自身による意思決定の権利が除外されてきた知的障がい者も「支援の社会化」によって安心して自立した生活が送れる、そして親も安心して社会に託せるようなシステムづくりが急がれます。

 会場は今まさにその家族の立場にある方が多いのか、深くうなづいていらっしゃる方も大勢見受けられました。

成年後見制度について現状と課題をとてもわかりやすくお話しくださり、子育ても介護もそして障がい児者の自立支援も「本人の最善の利益」が大切だということをあらためて確認できました。