市民がつくる発電所

今年も脱原発に向けて市民発電所の設立を実現させるための活動をしました。
数々の学習会への参加とともに、11月には「としまでエネルギーを考える会」主催の多摩電力の見学会に参加しました。

多摩市で自動販売機反対、原発反対、ごみ問題に取り組んでいる人たちが3.11後、エネルギーについて話し合う集会を重ねて市民発電所事業を起こそうと「多摩市循環型エネルギー協議会」が立ち上がりました。

環境省の委託事業にも認定されて、昨年10月に多摩電力合同会社を立ち上げ、市、金融機関、専門家、学識経験者、地域住民参加の「多摩市再生可能エネルギー事業化検討協議会」がスタートし、会員は150人。

市民ファンド「たまでん債」を集め49人で900万円集まり、足りない分は地域の多摩信用金庫が融資してくれたそうです。まさに地域の協力を得た取り組みです。

設置場所としていくつかの大学に話をもちかけたところ、恵泉女子学園大学が買い取った都立南が丘高校の屋上に第1号の設置が決定し、7月に太陽光パネル120枚、30kwの発電能力があり、売電利益の一部を出資者に分配しています。
コスト面、コンクリートの下の防火水槽に手を付けないために置くだけ、という形で工夫が必要だったそうです。また、パワーコンディショナーにも1000万円かかりましたが、災害時に校舎で使えるようになっています。市民活動のテーマとして業者も地域で選んでいます。

再生可能エネルギー固定価格買取制度では現在38円/kw、来年は34円になると言われていますが、それまでに1000kwを目指し、多摩ニュータウンという立地を生かし集合住宅、工場、倉庫なども考えていくそうです。
課題としては、メガソーラーの参入で市民電力へのメリットが減ること、戸建は採算が合わないこと、20年の契約を嫌がることなどがあげられています。
しかし、大事なことは「市民力の育成」。子どもたちにどういった社会を残していくかを考え、市民団体との連携や市民への啓発でヒト・カネ・モノ・エネルギーが地域で循環する社会をめざすとのことです。

今回は豊島区の職員の方も2名参加して取り組みに積極的でした。うらやましい限りですが、練馬区でも行政にはたらきかけてみようと思います。
来年はこれまでの活動をさらに具体化し、市民発電所設立の実現に向けて前進していきます。

国が新しい「エネルギー基本計画」への意見募集をしています。計画の中では「原子力が重要なベース電源」とされ、再稼働に向け着々と動き出しています。
1月6日締め切りですのでぜひ皆さん意見を出しましょう!