宮城県女川町の災害廃棄物中間処理施設を見学しました。

女川町は港のすぐ近くまで山の迫った小さな港町でした。
その海沿いの町は全壊状態で、「何もないですよ」と話には聞いていたものの、その光景を目の当たりにして本当にすべて津波にさらわれてしまったことに、同行した皆から驚きの声が上がりました。
途中、がれきが山積みにされていましたが、この時見たのはほんの一部で、この後ろに道路の両側2キロにわたり積まれていることを後で知りました。
被害は3261戸(約7割)、444000トンのがれきが発生し、災害救助法の適用で、許可を受けずに一時的に民有地に置いている状況です。

中間処理施設は旧日水加工工場の土地に作られ、仮置場から運ばれてきたがれきが2基の機械で1次選別され、さらにそれぞれ2レーン、合計4レーンのベルトコンベアー上で手選別されています。
ここで選別された木くず80%、廃プラスチック14%、その他(紙類)6%を混ぜて可燃ごみとしてコンテナで東京に運ばれます。

以下、主な説明内容です。
●放射線量測定は?
放射能測定は東京都が東京都環境整備公社に委託しています。
① 置場での空間線量が10ヶ所で測定される。
② 選別処理ヤードでは8人から12人で手選別されたものが下に落ちるようになっていて、
 そこでの空間線量が1時間ごとに高さ1m地点で測定される。(1日7〜8回)
③ ストックヤードから分けられた種目別に遮蔽体内で測定する。
④ コンテナに積み込まれた後、コンテナの中心部から1m離れた所の地上2.5m地点で測定する。(30秒5回)
●アスベストは除去されるか?
原則アスベストが付着していそうなものは最終的に手選別でもすべて取り除かれるので混入することはない。大気中の測定値は最大0.17本/ℓで、基準の10本/ℓを大きく下回っている。
●作業員は?
 現地での雇用。しかしこれも一時的なものなので、この施設がある所にも工場を早く建て直して長期的に働ける場を取り戻したい。
 作業員の放射能対策については毎日の測定で安全だとわかっているので特に問題ない。
●分別した木くずと廃プラ、その他をなぜまたわざわざ混ぜるのか?
 東京の清掃工場の一般可燃ごみと同じ割合にするため。また、木くずだけだと炉の温度が上がってしまう。
●リサイクル、埋め戻しについて
 民有地は3mのかさ上げが必要でコンクリートの廃棄物などはすでに埋め戻しに利用している。
 木くずはリサイクルの目途が立っているのは44000t。残り40000tは焼却。
●今後の土地利用について
 盛土を含め高さ3mあれば再建築可とする。

焼却施設は石巻広域クリーンセンターの1ヶ所で、今年の8月には処理能力が1日230tから1500tになるとのことです。
高台の公共施設や空き地は仮設住宅になっていて、とにかく狭い土地なので施設を新設したり、置き場所を増やすことができない状況は確かに見てもわかりました。
また現場から東京都内の清掃工場に至る費用は県から町に請求され、最終的に町から国に請求します。

女川町役場の職員の方は「働く場がないので若い人がどんどん他の県へ出て行ってしまうことが深刻な問題。
1日も早く町を復興させたい。」と話しています。

帰り道、約2kmにわたるがれきの山を通り抜けていきましたが、港からかなり入ったところの住宅までもが津波の被害を受けていてその勢いの凄さは想像を絶するものでした。

災害廃棄物の受け入れに関しては感情論で解決できる問題ではありませんが、実際の状況を見ると漁港としての賑わいを1日も早く取り戻すことは必要だと思います。
しかしながら受け入れる側である区民の不安は先日行われた2回の説明会でもよくわかりました。
最初に受け入れる段階できちんと区民への報告なしに、議会でも議論されないままに決定されてしまったことにも不満があります。
国、都、区が公表している数値や安全だと言っていることに「信用できない」と思うのも当然のことです。
ですからまずは練馬区でも不安の声をきちんと受け止め、一つひとつ丁寧に対応していくこと、十分な話し合いの場を持つこと、徹底した情報公開をすることを求めていきます。