一般質問報告①区長の基本姿勢について

9月9日に一般質問をしました。

最初に区長の基本姿勢について質問したのですが、ひどい答弁でした。
しかも区長に聞いているにもかかわらず、答えたのは企画部長でした。

以下質問と答弁です。

(質問)

前川区長は今定例会の所信表明で「大きなプロジェクトが目白押し。区議会、区民の皆さんと力を合わせて「改革ねりま第Ⅲ章」の実現に全力を尽くしたい。ご理解、ご支援を心からお願い申し上げます。」と述べました。

しかし「区民の皆さんと力を合わせて」と言う一方で「ご理解をお願いする」という姿勢に大きな疑問を抱きます。

私たちはこれまでも計画案ができ、区民に公表する以前に計画を考えている時点から、必要性について区民と十分な話し合いの場を持ち、区民の参画が必要だと提案してきました。

大きなプロジェクトとする前に、区長自らが地域住民を始めとした区民の声を聞き、時間をかけて合意形成を図ることが必要だと考えます。

区長の考える「区民と力を合わせる」とはどのようなことなのか伺います。

これまで計画案に対し反対の意見を出してもほとんどが反映されることなく、「ご理解いただく」で進められています。

しかも最近では説明会ではなく、多くがオープンハウスや個別相談会などです。区立谷原保育園の閉園に関しては、保護者が全体説明会を何度要望しても拒み続け、7月に開催した保護者主催の説明会では、区長に出席を求めたにもかかわらず、区長の出席はなく、担当課長と係長のみでした。区民と真摯に向き会おうという姿勢が見られません。

区長がすすめようとしていることはどれもこれもトップダウンであり、区民抜きの「皆様にお約束した『改革ねりま』」の推進が、全国自治体を先導する理想の自治体行政となるのでしょうか。また、発展するためだったらトップダウンでスピーディにやることが良いと考えているのでしょうか?区長の考えを伺います。

(答弁)

これまでも何度もご説明してきましたが、議会制民主主義のもとでは、何が区民全体の利益かを判断するのは、区民の代表である区議会と区長の責任です。それを前提に、政策形成から実行段階まで、区民の参加と協働の区政を実現することが必要だと考えます。

インクルーシブな練馬をめざす会の皆様は、議会制民主主義ではなく、直接民主制を求めているのでしょうか。

区長は就任以来、練馬の未来を語る会を約80回開催し、更に毎日のように地域に出かけて多くの区民の皆さんと話し合いを重ねてきました。コロナ禍によって中断せざるを得ませんでしたが、「未来を語る会」は7月に再開しており、既に4回開催し、今後さらに充実していく予定です。

区は、各事業を進めるなかで、区民や関係団体の皆様から様々な意見・要望を伺っています。

加えて、施策や計画の検討段階では、区民意識意向調査やアンケート、審議会や懇談会など様々な手法を用いて幅広く意見をお聞きしています。

計画等の素案を取りまとめた際には、オープンハウスや説明会、パブリックコメントなどにより丁寧に説明し、ご意見を伺い、そのうえで区民の代表である区議会の皆様にお諮りし、区政を前に進めているものです。

谷原保育園の閉園については、利用者一人一人に丁寧に対応するため、個別の説明会を複数回開催しているほか、随時、相談に応じています。その上で、要請のあった保護者主催の説明会にも区として出席させていただきました。

「区民抜きのトップダウンの区政運営」とのご指摘は的外れだということは、皆さんよくご存じだと思います。今後も様々な手法を工夫しながら区民参加と協働の区政を進めてまいります。


「大きなプロジェクト」とは、来年オープンするハリーポッター・スタジオツアー東京、牧野富太郎博士の朝ドラのスタート、秋に開催する全国都市農業フェスティバル、美術館のリニューアル、稲荷山公園の整備、石神井公園駅南側の再開発、大江戸線の延伸、西武新宿線の高架化のことです。

美術館のリニューアルや稲荷山公園の整備、石神井公園駅南側の再開発については多くの区民から反対や見直しの声が上がっているにもかかわらず、区長自ら出向いて直接話を聞くことをしていません。

「練馬の未来を語る会を約80回開催し、更に毎日のように地域に出かけて多くの区民の皆さんと話し合いを重ねてきました」と言いますが、区立谷原保育園の閉園という突然のことに保護者は戸惑い、署名が1万筆を超え、区長との話し合いを求めているにもかかわらず、それを拒否する理由がわかりません。

温かく迎えてくれるところにだけ出向いて、反対の声の大きい所には行かず決めていく、それこそ「区民抜きのトップダウン」ではないでしょうか。これを指摘したからと「直接民主主義なのか」「的外れ」という言葉で返す答弁は理解し難いです。

2010年に制定された練馬区区政推進条例は元々練馬区に自治基本条例をつくろうと区民懇談会が立ち上がり、15回の会議を重ねて提言まで出したものの、4年間の空白後、区民に主軸を置いた条例案は一転して「区政推進条例」と区が主軸の条例になってしまった経緯があります。当時は区民や議会からも反対の声が上がりました。
あらためて区は住民自治を基本とした区政に立ち返るべきです。