2019年度決算の認定に反対の討論

第三回区議会定例会が10月16日に終了しました。

生活者ネットワークは2019年度一般会計決算、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の決算の認定に反対し、討論をおこないました。
以下、反対討論の内容です。

 


2019年度決算額は約2,682億円。

少子高齢化による人口構造の変化、 福祉・医療など社会保障経費の増加、老朽化した公共施設の更新や区特有の課題である道路・鉄道など 都市インフラの整備、という膨大な行財政需要への対応に、「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」の視点から、事業の無駄を排除し、限りある財源を効果的・効率的に活用していくとしています。

2019年度予算の約4割を子育て・教育分野に配分しましたが、保育園の待機児童は解消せず、今年の4月時点で1歳児・3歳児1年保育に在籍している児童は42人もいます。臨時と言いながら3年が経ち、むしろ常設化しているのではないでしょうか。

待機児童対策ということはそこに含まれる児童は「待機児童である」という認識に欠け、待機児童の人数に入れるべきです。全国トップレベルの定員増と言いますが、切れ目のない保育環境の確保は十分ではありません。

区がプラスチック削減に向けて様々な取り組みをしていることは認めます。しかし、地球温暖化による気候変動への危機感に欠けています。

2016年に策定した練馬区エネルギービジョンは2019年度で第1フェーズが終わり、第2フェーズに入りました。自立分散型エネルギー社会の実現をめざした取り組みを加速させる期間であるならば、地球温暖化が生活を脅かし、待ったなしの状況であることを直視し、脱炭素かつ100%再生可能エネルギーによるエネルギー政策へと転換すべきです。

「あれもこれも」ではなく「あれかこれか」の視点から事業の無駄を排除するというのであるならば、不要不急のインフラ整備は見直すべきです。

駅前再開発や大型道路整備は多額の税金を投入するだけでなく、ビル風やコンクリートによる地球温暖化などの環境破壊にもつながります。

さらには新型コロナ感染症の影響を受け、相次ぐ倒産や店舗の閉店、さらにはボーナス不支給や減給の企業も出始め、持ち家を売却せざるを得ない人も増えることが予想されます。

先を見据えるのであれば、今後の景気の見通しが立たない中での大型開発や、今必要ではなく、住民合意が図れていない道路建設はやめ、空き家を活用した低家賃の住宅や公営住宅を増やすべきです。

練馬城址公園についてはこれまで何年も区民、区、議会で様々な意見を出し合ってきました。
突然のハリーポッタースタジオツアー施設建設の発表に疑問の声も上がっています。
民間の事業とはいえ区民の協力なしでは整備できません。
また防災公園についても区民からの様々な意見や要望があります。区は区民の声を集約し、都と事業者に届けるべきです。

新型コロナ感染症パンデミックという経験したことのない状況に直面し、区民のこれまでのあたりまえの生活が大きく変わりました。
突然の学校の休校、夏休みの短縮、分散登校、行事の中止などで戸惑う子どもたちに寄り添ったきめ細かな対応が必要です。

保健所の体制や日々変わる検査状況などの情報不足に区民は不安を抱き報道に振り回されました。区からの積極的な発信をするべきです。

また高齢者に与えた影響についても検証し、介護予防などの施策に反映し、見守りや相談体制の充実を求めます。

国民健康保険事業会計および後期高齢者医療会計については上がり続ける保険料がますます国民の生活を圧迫し、崩壊の危機とも言われています。感染症対策としての一時減免だけでなく、超高齢化社会に向けて持続可能な制度となるよう引き続き見直しを国に求めるべきです。

後期高齢者医療会計における保険料の還付金の不適切な会計処理は、区民への影響はなかったものの、二度と起こさないよう全庁挙げての共有とチェック体制の強化が必要です。

職を失いネットカフェや路上で生活している、行き場のない若者が急増しています。
最後のセイフティネットであり、命をつなぐ生活保護制度は生活が立ち行かなくなった時、誰もが受ける権利があります。当事者の人権を守る相談体制と対応を求めます。

以上、誰も置き去りにしない区政の実現を求めて討論を終わります。