2020年度予算に反対!

今日は議会最終日。
2020年度の予算に反対の討論をしました。
以下、討論の内容です。

生活者ネットワークを代表して、議案第1号から第4号、2020年度練馬区一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の予算議案に反対の立場で討論をおこないます。
2020年度予算は、「第2次みどりの風吹くまちビジョン」の実現と将来を見通して編成され、昨年度より4.2%増の2826億7100万円で過去最高の大型予算となりました。

 

区は福祉、子育て、教育関連経費が全体の約7割を占め、保育所は定員増で来年度は待機児童をゼロにすると言っています。しかし国の基準ではカウントされない待機児童、例えばない方が望ましいとしていた1歳児、3歳児の1年保育を相変わらず4月からも募集して待機児童に含めないことは問題です。保護者が「とにかく預けられればよい」という気持ちになるような保育は「預かればよい」という姿勢につながり、見直すべきです。何より子どもにとって最善の保育環境とは言えません。
環境面では、昨年の一般質問でも指摘した「環境基本計画」改定案において「気候変動への対応」が大きく打ち出されず、その他の取り組みに入っていることや、原発ありきの国のエネルギー政策に基づくエネルギービジョンは、気候変動や原発事故への危機感が感じられません。脱プラ対策は一歩前進したものの、さらに庁舎内の自動販売機のペットボトル飲料廃止や、給水スポットの設置にも取り組み、プラごみ削減を区民に強く打ち出すべきです。羽田新ルートの実機飛行確認で多くの区民が不安の声をあげているにもかかわらず、「国の事業」と静観するのみで、区民の生活を守る視点に欠けています。まちづくりでは、外環道などの道路計画や鉄道立体交差化事業、石神井公園駅南口西地区再開発など、対話を求める地域住民に向き合わない区の姿勢をあらためるべきです。

区は、経費削減と区民サービスの向上のためと委託・民営化をさらに進めるとしています。しかし、近年頻発している豪雨災害やいつ起こってもおかしくないマグニチュード7クラスの地震などの発災時に、区民に対応する現場の職員を手放すリスクを負うことにつながります。
新型コロナウィルス感染症対策として、卒業や進級など学年末を前に実施された突然の一斉休校が、子どもたちに与える影響は計り知れません。同時に、保護者にも大きな影響が及んでいます。「休校で仕事を休まざるを得ず、子どもと向き合うことで保護者がイライラしてつい辛く当たってしまう、というようなことも起こり得ると想定し、子どもが相談できる体制をつくるべき」という主旨の質問に対し、笑いが起きたことや、「虐待に向けてのリスクが高まるような発言はいかがなものか」という、子育てを担当する課長の発言は、本当に事の重大さを認識しているのか疑います。実際に今、このことが問題となり、子育て支援団体からも対応を要望する声があがるなど、社会問題となっています。
子どもの権利条例をつくる気はない、本気で子どもを守ろうという姿勢がみられない区が「児童相談行政を強化していく」といっても、子どもの気持ちに寄り添ったものになるのか心配です。

区長は「練馬の未来を語る会」だけで80回開催するなど、「区民の皆さんとの協働に努めてきた」と発言しています。また「町会・自治会が最大のパートナー」と公言し、施策の方向性が一致する区民との意見交換は熱心です。しかし、「有意義な意見交換ができなければ意味がない」との理由で、団体に所属しない圧倒的多数の区民の声を聞こうとしません。
区民と区、双方が努力し、有意義な意見交換、対話の場へと醸成するために、タウンミーティングを開催すべきです。

国民健康保険、介護保険会計、後期高齢者医療会計は、激変緩和措置があっても負担は増し、持続可能な制度ではありません。現役世代や低所得者の負担が生活をさらに圧迫しないためにも、制度そのものの見直しを国に求めるべきです。

福島第一原発事故から9年。国は復興をアピールしていますが、いまだに避難生活を余儀なくされている人が大勢います。帰宅困難区域が解除されたと言っても、放射線に対する不安や、地域コミュニティなどの崩壊で元の生活には戻れません。3月ですべての住宅支援が打ち切られ、先の見通しに不安を抱く人が練馬にもいます。
福島第一原発で作られていた電気を当たり前のように使っていた私たちが、過ぎ去ったこととして目をそむけるのではなく、あらためてこの現実を受け止め、責任を背負っていかなければなりません。
核も原発も戦争もない平和な社会を練馬区から強く発信し、年齢や性別や障がいのあるなし、国籍などにかかわらず、一人ひとりの人権が尊重される区政運営を求めて討論を終わります。