文教児童青少年委員会の視察報告

10月26日、27日に文教児童青少年委員会で岐阜市の子ども・若者総合支援センター「エールぎふ」とICT教育を実践している徹明さくら小学校を見学しました。

10月26日(木)子ども・若者支援センター「エールぎふ」

2009年、当時の教育長が今後ますます多様化、複雑化する子どもたちの問題や、こうした子どもた ちを抱えて思い悩む保護者に対して、生徒指導、教育相談、特別支援教育の枠を超えて連携し、総合的に対応、支援するために、少年センターを総合教育センターに再編していく方向性を示しました。
しかし、縦割りだった支援体制を統合させていくのはそう簡単ではなかったとのことで、5年後の2014年4月に教育委員会所管の「少年センター」、福祉部所管の「発達相談センターあおぞら」、福祉部子ども家庭課の家庭児童相談係、の教育と福祉が一体となった「子ども・若者総合支援センタ」ーが設置され、さらに幼稚園の「ことばの教室」も加わりました。そして翌年には「子ども未来部」が創設されセンターの所管となりました。

遊具で遊ぶ子どもから心の中を読み取ります。

このセンターは統廃合となった小学校の跡地を利用して、乳幼児相談係、親子支援係、乳幼児支援係、家庭児童相談係、発達支援係、教育支援係、才能伸長・自立支援係すべてが4階建ての校舎に配置されていてます。
子育て、いじめ、不登校、児童虐待、発達障害、就学、就労など0歳から20歳までの子ども、若者の相談に対応し、福祉・教育・健康の横断的にワンストップで一人の子どもを切れ目なく、継続的な支援をしています。

市の直営で運営され、教員・保育士・臨床心理士・社会福祉士・看護師・保健師・小児科医・児童精神科医・弁護士などの有資格者など、109人を配置して福祉・教育・健康のあらゆる面で総合的にきめ細かな支援できています。

縦割り行政の中での支援は一人の子どもに継続して寄り添っていくことは難しいですが、エールぎふでは同じ施設ですべておこなわれていることで、発達段階を追っていくことができ、職員が変わっても記録を見ることでそれまでの子どもの様子だけでなく、兄弟や家族の様子もがわかります。

20歳までの支援体制は、18歳から20歳は子どもから大人へと大きく変わる大事な時期ですが、支援が見落とされがちな年代でもあり、必要なことだと思います。

10月27日(木)ICT教育について 

今年の4月に統合新設された徹明さくら小学校にて説明をうけ、その後授業を見学しました。
岐阜市は2013年に市内全小中学校と特別支援学校70校にタブレット端末を各校40台ずつ配備。電子黒板とデジタル教科書による授業を開始しています。
また、2020年の大学入試制度改革を見据えて、子どもたちが主体的に学び、考え、発信する「アクティブラーニング」を取り入れ、専用スペース「アゴラ」を設置しています。
ここではタブレットを使ってグループディスカッションもおこなっています。
「5年先行く教育」を目標に、今年度からは全小中学校においてプログラミング教育を開始。人型ロボット「pepper」を273台導入しています。

全小中学校70校からICTに関心がある教員が研修を受け、さらに各校1名が外部研修を受け、情報主任者としてシステム管理に携わり、それぞれ自校の教員全員に指導しています。

授業は子どもたち全員が集中していて積極的に手をあげていました。電子黒板で一度に複数の回答を見ることで色々な考え方を共有できるのは効果があると思いました。
授業においてはタブレット操作についていけない子どもも多少はいるそうですが、周りの子どもや補助教員が助けているとのことです。

基本的には端末の操作に追われるより、机間指導することで一人ひとりの子どもの様子がわかったり、1対1のコミュニケーションが図られるのではないかと考えます。
一方でパソコンやスマホを操作できる家庭環境ではない子どもにとっては、タブレット操作ができる機会と考えると必要な授業でもあります。
それぞれの学習方法をうまく組み合わせることで効果があると思いました。