太陽集光発電について~清掃・エネルギー等特別委員会視察報告

11月12日、13日に清掃・エネルギー等特別委員会の視察で宮崎県を訪ねました。

宮崎大学 ビームダウン式太陽集光装置による水素製造について

宮崎大学工学教育研究部準教授、西岡賢祐先生からお話を伺いました。
宮崎県は年間日照率が高く、国内で3位であることと、降雨量も国内2位、と多いので太陽光パネルの表面の汚れを洗い流すために適していることから太陽光発電の取り組みが活発だとのことです。

ビームダウン式太陽集光装置
宮崎大学と新潟大学の共同研究で国の補助金を受けて宮崎大学エコキャンパス内に16メートルのタワーを設置。地面には88基のヘリオスタットという凹面鏡が置かれていて太陽を追いかけます。反射した太陽光は一番上に取り付けられた楕円鏡の1点に集められ、さらに反射させて中間点に設置された光濃縮装置で熱に転換して水素を製造します。

◆集光型太陽光発電について
一般の太陽光パネルは表面全体が太陽電池に
なっていますが、レンズで集光することにより1/500~1/1000の面積の太陽電池で同じ量の太陽光を集光することができます。
レンズはアクリル製の安価なもので十分、その分太陽電池は衛星用の高性能なものになっています。これを96個使用して14kw発電します。


キャンパス内にはこの装置で合計58kwを発電、その他多種類の太陽光パネルにより合計240kwを発電しています。
それでもキャンパス内の消費電力のわずか2~3%にしかなりません。

また、太陽電池から水素を生成し、その変換率は24%と世界最高です。

水素を利用した燃料電池でLEDを使って室内でほうれん草を栽培しています。害虫の影響もなく、栄養価は全く変わらないそうです。

 

 

これだけの設備を実際に設置するとなると広大な敷地と予算が必要ですが、集光型太陽光発電は小規模でも可能ではないかと思います。