「区の認識が薄かった」 そうですが・・・

完了検査の検査済証未取得問題

練馬区の小中学校で建設工事の完了時に行う完了検査の検査済証が未取得となっている問題について新聞などで大きく報道されています。
区では10月に「練馬区立施設建築安全調査委員会」を設置し、調査を始めています。
13日の企画総務委員会、文教委員会でその中間報告がされました。
①調査対象・・・区が建築主となった施設99校(小学校66校、中学校34校)
②調査対象建築物数・・・610棟 区立小中学校の敷地内の建物で校舎・屋内運動場(体育館、武道場)

調査の結果610棟のうち完了検査の検査済証の交付記録がないものが554棟にも及ぶことが判明しました。また、完了検査を受け付けた記録が76棟あるものの、実際に交付された記録があるのは56棟、これも疑問です。

更に建築着工前には計画通知を区や都に提出し建築確認申請を行い、確認済証が発行された後に着工、という手順があります。しかし計画通知を受け付けた記録が554校もあるうち、実際に確認済証が発行された記録があるのは504校であり106校が発行された記録がありません。しかも計画通知の半数以上を区が受けています。

委員会ではこのような状況の原因としては50年代に子どもの数が急増し、「教育現場や地域の要請に応えて学校施設を建築してきたが、厳しいスケジュールのなかで、検査済証の未取得が生じた」「検査済証への認識は、全国的に低かったが、区においても薄かった。」と報告されています。そして建築安全の定期点検では安全性は確認できているのでこのまま使用する、と言っています。

建築基準法では工事の完了後、「検査済証の交付を受けた後でなければ、建築物を使用し、または使用させてはならない」としています。
安全性は確認されているとはいえ、建築主である区がきちんと法の手順を踏んでこなかったことには多くの不安が残ります。
今後、学校以外の区立施設についても1月中に調査を行うとのことです。

もうひとつ、今回のことが私の所属する環境まちづくり委員会では報告されませんでした。委員会の中で質問しましたが、今回の問題は手続き上のこと、小中学校にかかわることであり、当該委員会にかかわる部分はないので、との答弁でした。
でも完了時において建築物の安全確認がされていないことはやっぱり取り上げるべきことではないかと思います。

みなさんご意見をお寄せください。