教育委員会制度改革に反対しました。

3月に開催された第1回で練馬区行政委員会委員の報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」に反対の討論をしました。以下全文です。

この議案は、地方教育行政の組織および運営に関する法律の一部が改正されたことに伴い、教育委員会委員長の職が廃止されるため、教育委員長の報酬および旅費の額に係る規定を削るものです。

具体的には教育委員会の委員長の職を廃止し、教育長と統合して新たな教育長を設置すること、そして区長が召集する総合教育会議を設置する教育委員会制度改革であり、区長の教育委員会への政治的介入が懸念されることから反対します。

以下、この議案がはらんでいる問題点を2つあげます。

第一に委員長と教育長の統合についてです。
2011年、大津市で起きた中学生のいじめ自殺事件で教育委員会が機能せず、学校と連携した迅速な対応ができなかったことから、第二次安倍内閣において責任の明確化と迅速な危機管理体制の構築のために検討されるようになりました。そして新たな「教育長」を創設し、これまで教育長の任命権は教育委員会であったものを、区長が議会の同意を得て任命することになります。さらに教育長は教育委員ではなくなります。 

新制度において「教育の政治的中立性、継続性、安定性は確保する」とされていますが、教育長を区長が任命することは、教育委員会への区長の直接的な介入にほかならず、政治的中立性が確保できるとは思えません。
そもそも戦後の国家統制の反省から教育の場に政治的介入させず、公正性・公平性を保つために教育委員会は独立した機関として設置されたはずです。 

いじめによる自殺など、重大な事案が発生した場合の迅速な対応を理由に制度そのものを変える必要があるのでしょうか。課題があればまずは現制度内で検討していけばいいことです。
大津の事件では、教育員会事務局が、教育委員に報告を怠ったことが問題であって、制度の問題にすりかえたのは、教育委員会制度を変えて、首長の関与を強めることが目的であったとしか考えられません。現に、区教育委員会では、いじめの早期発見、早期解消のためにいじめ等対応支援チームを設置しています。また、重大な事案が発生した場合は第三者機関を立ち上げることとしています。そしていじめ防止対策推進法においては自治体の長に報告することも義務付けられています。 

二番目は総合教育会議の設置、大綱の策定についてです。
区長と教育長、教育委員会による会議で、教育委員会が召集を求めることもできますが、基本的には区長が招集します。

「区長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域の教育の課題やあるべき姿を共有し、一層民意を反映した教育行政の推進を図る。」としてアクションプランでは2015年度からこの会議の中で教育行政の目標や方針となる大綱の策定、2016年度には実施が計画されています。
この会議の主導権は区長にあり、教育委員会にどこまで権限があるのか、最終的な決定権を区長がもつことや、本当に民意が反映されるのかについて大きな疑問を持ちます。

また、区長が交代するたびに、教育行政も変わることで、教育の安定性の確保はできなくなると考えます。

何より一番影響を受けるのは子どもたちであり、子どもの権利侵害になることも危惧されます。
次世代を担う子どもたちの健やかな成長を保障するのが大人の責任です。政治が教育の中立性を侵し、子どもから自由な学びを奪うことが懸念されるこの改正に反対し、討論を終わります。

 総合教育会議は傍聴できます。
皆さんと一緒に今後の会議の内容を見ていきたいと思います。