子どもの権利に基づいた子ども施策を 

 

早稲田大学教授で実行委員長の喜多明人先生とやないさんと

「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2012 in目黒 ~子育て支援・子ども支援の新たな展望を拓く~をテーマに29日・30日と2日間にわたって子育て支援・子ども支援について考えるシンポジウムがあり、29日には尾木ママこと尾木直樹さんの記念講演「尾木ママの共感子育てのススメ」が行われました。

会場はお子さん連れが多く、にぎやかでしたが、赤ちゃんが泣いても「気にしないでいいのよ~」といつもの口調で尾木ママが呼びかけます。

 子育ても介護も教育もボランティアも「共感」が一番大事なことで、同感や同情とは違い気持ちの共有部分があります。子育ても子どもの目線で子どもに寄り添い、共感することで、子どもも心を開くでしょうとのお話しでした。

 続いて森田明美さんのコーディネートで世田谷区、三重県、石巻市、目黒区の各自治体から子ども施策について報告がありました。4自治体とも子どもの権利条例を制定していて、それに基づいた施策が築かれています。

特に石巻市は震災から1年半経って、仮設に帰っても友達がいない、ひとりで過ごす、中高生の居場所がなく駅前に集まって騒ぐ、登校拒否、現実逃避などの状況が増えてきているそうです。そのような中、子ども参加による地域復興の拠点となる「子どもまちづくりクラブ」を設立し、子どもの権利の視点を見据えて新しい子育て支援をすすめたそうです。

被災地の支援について1年半経ちだんだん厳しい状況になっています。震災前から子育て支援が日常的にないところで展開する対応の難しさを、森田先生は話してくださいました。
共感的な寄り添いと多様な支援が途絶え始めている今、徹底した自治体の決意が必要だとのことです。

 最後に「財政が厳しい中で子ども政策、支援が難しいけれども、子どもたちのために最善をつくすことが大人の責任である。そのために自治体は市民との協働で問題から逃げることなく継続的に支え続けていかなければならない。」とまとめました。

 

練馬区は「子どもの権利条例の制定は考えていない」と言い続けていますが、子どもや市民と向き合い「共感」する勇気がないのだと思います。
でも、いじめや虐待など、子どもや子育て家庭をとりまく問題は増え続けていますので、こどもの権利に基づく子育て・子育ち支援施策の必要性を引き続き訴えていきます。