高齢者の孤立死を防ぐために

「ひとりぼっちにしない練馬(まち)づくり〜わたしたち一人ひとりができること〜」に参加して

先日あるテレビ番組で高齢者の孤立死を取り上げていました。
孤立死の背景には経済的な問題や同居家族がいない、病院を出されても行き場所がない、などのハード面、ソフト面、両方の受け皿がないことが大きな原因となっています。
その番組の中で、がんの手術で舌を切除した高齢の男性は、退院後の行き場所がなく入所した施設で、出される食事に入っている揚げ物をはさみで小さく切って飲み込んでいました。このお弁当が食べられなければ施設を出されてしまうと話でしていました。
生きていくために住まうこと、食べることの確保は最低条件ですが、そこにはその人らしい暮らしが見えません。
老い、終の棲家、看取られ、について深く考えさせられました。

そのような折、7月2日には「ひとりぼっちにしない練馬(まち)づくり〜わたしたち一人ひとりができること〜」という集会がありました。
明治学院大学社会学部教授で東京都生協連福祉のまちづくり委員でもある河合克義さんの「高齢者の生活実態と社会的孤立」についての講演を聞き、前に見た番組と重なり、高齢化に伴う問題についてもっと早急に対応しなければならないと思いました。

高齢単身・夫婦のみ世帯が年々増え、2025年には1267万世帯になると推測されています。
特に後期高齢者の単身世帯が急増すると言われています。
練馬区でも65歳以上の高齢者のいる世帯の31.5%が単身高齢者です。(2010年国勢調査)

単身高齢者の主な生活実態は
・緊急時の支援者なし
・正月三が日はひとりで過ごした
・近所づきあいがない

などがあげられます。一言で言えば「ひとりぼっち」の状態です。

この「ひとりぼっち」の高齢者をなくすために河合さんは
①高齢者の生命と尊厳を守る視点を
②自ら声を上げない高齢者
③行政施策の底支えと住民の絆・支え合い
④わたしたち一人ひとりができること

の4点を掲げています。

特に①で私は孤独感、孤立感を抱いている人に対し、1対1でしっかり寄り添うことが大切ではないかと思います。さらにその中から発見できる問題を解決する施策も必要です。
練馬区には高齢者を支える8つの施策がありますが、今後、これが本当に一人ひとりに寄り添ったものなのかどうか、単なる制度だけではないのかを検証していきます。

最期まで一人の人間として命が守られ尊重される、そんな社会に変えていきたいです。